運動機能評価学実習

【越野】医療面接

*まとめ

・医療面接は目標設定、状況把握において極めて重要であり、初回だけでなく毎回の理学療法で行われる評価である。

・信頼関係(ラポール)の構築においても重要であり、コミュニケーションが重要になる

・カルテのみに頼らず実際の患者の声を聴くことは重要であり、ともにリハビリテーションの目標及び方針を意思決定する過程が現代に求められている。

 

#主訴:患者がもっとも困っていること、問題としていること

 Demands:患者の希望、要望

 Needs:セラピストが判断した患者に必要な能力

 

【越野】疼痛評価

*まとめ

・痛みの有無だけでなく強さ、どのような痛み、場所、種類などを評価によって見極め、痛みの原因を探す

・慢性痛の場合、疼痛の種類は明確に区別することは実際の臨床では難しいことが多く、心理や中枢性感作がどのくらい疼痛に影響を与えているのかを把握して、治療選択することが重要となる

 

#種類

1,侵害受容性疼痛

2,神経障害性疼痛

3,痛覚変調性疼痛

・中枢性感作:中枢神経系における痛覚過敏を誘発する神経信号の拡大

       Wind up現象:軽い刺激が反復すると痛み刺激に変化

       疼痛抑制機構の機能低下を引き起こす

・時間的分類

①急性疼痛

②慢性疼痛:3か月以上

・部位の違い

①表在痛:皮膚の病変

②深部痛:骨格筋、関節など

③内臓痛

・臨床

①自発痛(安静時痛)

②運動痛

③夜間痛

④圧痛

⑤関連痛:深部組織の刺激が体表に投射

⑥放散痛:関連痛のうち、刺激発生の臓器よりかなり遠くの皮膚上に痛み

 

#強さ評価

・Visual Analog Scale(VAS):10㎝の直線

・Numerical Rating Scale(NRS):0~10

・Face Pain Scale:顔の表情。理解が簡単

#性質評価

・McGill Pain Questionnaire:感覚的、感情的、評価的、そのほかの表現、78点満点

#行動評価

・Behavioral pain scale(BPS):痛みによる行動変化を評価、コミュニケーション取れなくても可

 

#感度高い→偽陽性に注意→除外診断

 特異度高い→偽陰性に注意→確定診断

 

#Fear-avoidance model:疼痛の破局的思考(反芻・無力感・拡大視)

 →質問紙:Tampa Scale for Kinesiophobia(TSK),Fear-Avoidance Beliefs Questionnaire(FABQ)

 

【越野運動耐容能の評価

運動負荷に耐えるために必要な呼吸や心血管系の能力に関する機能

#評価

・最大酸素摂取量

  負荷量を増加させても酸素消費量が変化しなくなった点=運動耐容能

 

#障害

・酸素運搬系:換気障害→肺胞内のO₂低下、CO₂増加

       ガス交換障害→動脈中の酸素飽和度低下

・血液循環系:心ポンプ機能低下→筋への血液供給不足

       右心機能障害→肺への血液供給不足

       末梢循環障害→筋への血液供給障害

 

#運動負荷試験

 

【長谷川】片麻痺運動機能検査

#Brunnstrom stage

(回復段階)

Ⅰ随意的な筋収縮は無く連合反応も出現しない

Ⅱ痙性の発現、共同運動が連合反応として出現

Ⅲ痙性顕著、随意的な筋収縮は共同運動として出現

Ⅳ痙性やや弱まる、動作の分離独立が一部可能

Ⅴ痙性減少

Ⅵ協調性のある運動が徐々に可能、正常ではない

 

(上肢)

Ⅰ弛緩性麻痺

Ⅱ多少の痙性と連合反応

Ⅲ屈曲伸展共同運動(耳と反対側の腰)

Ⅳ腰の後ろに手をもっていく

 前方水平位に腕を拳上(60)

 肘90度で回内、回外(50)

Ⅴ横水平位に腕を拳上(60)

 前方頭上に腕を拳上(130)

 肘伸展位で回内、回外(50)

速度テスト:膝と顎触れる、麻痺側と非麻痺側の膝を触れる

 

(手指)

Ⅲ全指屈曲

Ⅳ指つまみ、集団伸展が一部可能

Ⅴ対向つまみ、筒握り、球握りが可能

Ⅵ手指の分離が可能

 

(下肢)

Ⅱレイミステ反射(股関節の内外転)

Ⅲ屈筋伸筋共同運動

Ⅳ座位で足を床の後方に滑らせて膝90°以上屈曲

 座位で踵を床から離さず随意的足背屈

Ⅴ立位で股伸展位で膝屈曲(45)

 立位で膝伸展位で足を少し前に踏み出して足背屈(5)

Ⅵ立位で股外転(20)

 座位で下腿の内外旋(20)

速度テスト:座位で下腿内外旋、立位で足底背屈

 

【越野】運動器疾患機能検査

#腰部疾患

・SLR(ラセーグ)テスト:坐骨神経伸張、疼痛やしびれ→L5-S1神経根障害

・ブラガードテスト:坐骨神経伸張、SLRより5°下げ足関節背屈

・ボンネットテスト:坐骨神経伸張、SLRより少し下げ股関節内転内旋→梨状筋短縮

・ボウストリングテスト:坐骨神経伸張、SLRの位置で膝20°屈曲し、膝窩圧迫

・大腿神経伸展テスト:膝90°屈曲で大腿部持ち上げる、大腿前面疼痛→L2-4ヘルニア

・ケンプテスト:股伸展のまま斜めに腰部伸展→椎間孔神経根絞扼

 

#肩関節疾患

・有痛股徴候:外転60-120°

・ニア―インピンジメントテスト:肩内旋位で拳上

・ホーキンスインピンジメントテスト:肩90°屈曲で内旋

・棘上筋腱炎テスト:肩外転位で内転方向に抵抗(Full can)

・アプレー・スクラッチテスト:棘上筋、肩屈曲外旋/伸展内旋

・ドロップアームテスト:棘上筋、肩90°外転維持or120°外転からゆっくり下す

・リフトオフテスト:肩甲下筋、手背を背部に当てた状態から手を体幹から離す

・ベリープレステスト:肩甲下筋、手を腹部に当て圧迫

・ヤーガーソンテスト:上腕二頭筋長頭、肘90°屈曲で回内方向に抵抗

スピードテスト上腕二頭筋長頭:肘伸展回外で肩伸展方向に抵抗

・前方肩不安定感テスト:肘屈曲肩外転外旋で水平外転

 

#股関節疾患

・パトリックテスト:股関節屈曲、外転、外旋

・オーベルテスト:

・トーマステスト:

・エリーテスト:

・股関節インピンジメントテスト:

 

#膝関節疾患

・アプレイテスト:半月板損傷、痛み内旋→外側、外旋→内側

・マクマレイテスト:半月板損傷、股膝屈曲で下腿内外旋

・前方引き出しテスト:前十字靭帯損傷、膝90°

・ラックマンテスト:前十字靭帯損傷、膝20-30°

・Nテスト

・後方引き出しテスト:

・膝外反ストレステスト:内側側副靭帯損傷

・膝内反ストレステスト:外側側副靭帯損傷

ストロークテスト:炎症の評価

・膝蓋跳動テスト:炎症の評価

 

#足関節疾患

・前方引き出しテスト:前距腓靭帯損傷

・後方引き出しテスト:後距腓靭帯損傷

・内返しストレステスト:前距腓靭帯・踵腓靭帯損傷

・外返しストレステスト:三角靭帯損傷

・トンプソンテスト:アキレス腱断裂