神経系理学療法学

脳血管障害

病態理解のための復習

〇脳のネットワーク

・背側で能動的な注意、腹側で受動的な注意

・前頭は抑制系(前頭葉損傷→高次脳機能障害)、後頭は実行系

・出血部位:被殻→対側の片麻痺

      視床→対側の感覚障害

      橋→意識障害

 

神経可塑性

・中枢神経は障害されると再生しない

・内的、外的な変化に対して、神経細胞の形態、性質、機能、脳内ネットワークが変化すること

Hebbの学習則神経細胞Aが連続して発火し、神経細胞Bを発火させると二つの神経細胞の結合、伝達効率が強化される→可塑的変化

・長期増強(LTP):後シナプスの拡大、受容体の増加

・長期抑圧(LTD):後シナプスの縮小、受容体の減少

・感覚運動入力が繰り返される→隣接する脳機能が新たな機能を獲得

・(発達期)ミエリン形成→早い速度での情報伝達

      シナプス刈り込み→神経回路の精密化

・豊かな環境により神経細胞樹状突起は複雑化

・社会的ストレスにより神経細胞樹状突起やスパインは退縮

・慢性疼痛により脳の感覚領域野で神経活動が亢進

 

脳血管障害後には脳にどのような変化が生じているか

・炎症マーカー、血管新生、シナプス新生などの活性化(タイムコースは異なる)

・正常では使用されていない神経回路のunmasking、軸索の側芽形成による修復

脳梗塞の反対側でシナプスの変化が生じる

・体部位局在のオーバーラップ→刈り込み

・可塑性関連タンパク、遺伝子の発現(成長促進因子・成長抑制因子)→細胞骨格の制御

・神経ネットワークの変化:脳卒中患者では多くの脳領域が活性化→機能的な代償・再構築

皮質脊髄路損傷:

(軽度)対側の、本来の運動ネットワーク(一次運動野、補足運動野、同側運動野)が回復

(中等度)関連する運動領域が代償

(重度)非交叉性錐体路の代償

・いい回復をすると手の回復がよく活性化

・半球間抑制:左右の半球は互いに抑制し合い神経活動をコントロールしている

 →半球間活動の不均衡は運動機能回復を阻害

 →日損傷半球の活動高いと運動機能障害が強く残存

・運動機能障害:発症から1か月で急速に回復し、3~6か月で緩やかになる

 

脳血管障害後のリハビリテーションはどのような脳内変化をもたらすか

・不使用の学習↔使用/経験依存的な可塑性

・豊かな環境は神経細胞の複雑化、運動機能の向上に関与

・リハビリは脊髄レベルで神経伸張を促す

・運動により成長促進因子の発現が増加、成長抑制因子の減少

脳出血後のリハビリで神経回路の再編成(赤核介す)→運動機能回復

リハビリを実施することで不使用の学習を防止するとともに、体部位局在が拡大し、使用・経験依存的な神経可塑性を獲得することができる。その結果神経活動が向上し、運動機能の回復が見込まれる。

 

脳卒中リハビリテーション

・血管が詰まる→脳梗塞、血管が破れる→脳出血

・運動機能障害の残存、要介護要因1位→家族にも大きな影響与える

・リハビリの社会的役割

①後遺症として残存する障害を軽減させる

②杖、装具の選定、生活指導、住宅改修のアドバイスなどで生活を豊かにする

・急性期→回復期→慢性期

ICFの視点

・発症からの経過を考慮し、個々に合わせたプログラムを立案、ゴールを設定

 →医療面接、Shered Decision Making(SDM)

 

脳血管障害の一般的な評価

・筋緊張:痙性(相反性抑制が起きなくなる)

・体性感覚:力加減、方向調整

・脳神経:眼球運動

・高次脳機能:観念運動失行、病態失認、半側空間無視(左脳:ことば、右脳:失認)

片麻痺機能検査(Brunnstrom stage、Fugl Meyer Assessment)

 

急性期のリハビリテーション

・目的:リスク管理

    廃用症候群、合併症の予防

    ADLの早期獲得

    神経可塑性の促進

リスク管理脳出血→血腫の拡大、急性水頭症

       くも膜下出血→血管攣縮、正常圧水頭症

       脳梗塞→出血性梗塞

脳循環の自動調節能(50-160mmHg)破綻→身体血圧の増減に脳血流が左右される

ペナンブラ領域梗塞巣の周辺領域であり、機能不全状態に陥っているが、神経細胞死には至っていない、救える可能性がある領域、脳血流が低下すれば梗塞に至る可能性がある領域

脳卒中患者では自動調節能が破綻しているため、血圧の増減によって脳血流の増減が変化する。ペナンプラ領域とは、機能不全に陥っているが神経細胞死には至っていない領域で、脳血流が減少すると梗塞に至ってしかねない領域でもある。そのため、脳卒中患者では脳血流が低下しないよう、血圧を通常よりも高く維持しなければならず、本来はリハビリ中止の基準を血圧の値が超えていたとしてもリハを実施することが可能である。

・リハビリ中止基準:アンダーソン基準の土肥変法、脳卒中早期離床開始基準

意識障害の評価:JCS、GCS

・早期離床は運動能力の向上、退院先にまで影響

・早期リハビリ:肺塞栓症→ROM-ex・弾性ストッキングで予防、D-ダイマー、エコー検査

坐骨座り(尾骨・坐骨の三点支持で車椅子に座る事)✖

・ティルト利用で仙骨の除圧効果

ティルトテーブル、長下肢装具の使用(麻痺側下肢の支持性低下)

麻痺が重度でも、意識レベルが良好で、バイタルが安定していれば積極的に立位練習

・Body Weight Supported Treadmill Training(BWSTT):安全に複雑な歩行サイクルを繰り返し練習

・基本動作練習

・拘縮をつくらない:ウェルニッケマン肢位

 

回復期のリハビリテーション

・目的:急性期に生じた胚葉変化や運動麻痺などの心身機能の改善

    ADL能力の最大限の向上

    早期の在宅復帰および社会復帰

・回復期リハビリテーション病棟:対象疾患、施設基準

・基本動作の反復練習

・歩行障害:症状に個人差(発症からの期間、麻痺の重症度、損傷領域)

      随意性、支持性、動作レベル

・随意性が乏しいので、麻痺側への荷重を利用した運動で筋力強化

倒立振り子モデルを反復、股関節周囲筋の機能

・ステップ練習:荷重しながら麻痺側に重心を移動、長下肢装具・膝装具で膝折れ防止

・環境設定(移動手段、間取り、装具・補助具の選定)

 

慢性期のリハビリテーション

・地域における支援システム

・家族指導、介助指導

・再発予防、ADLニーズに応じる

デイケアとデイサービス

 

運動麻痺以外の合併症

高次脳機能障害:リハビリ阻害因子 ex)半側空間無視

Pusher現象:急性期、右半球損傷で多い

・末梢性疼痛、中性性疼痛(脳血管障害後疼痛:CPSP)

・侵害受容性疼痛:末梢の侵害受容器を刺激

 神経障害性疼痛:神経系の現発性病変や機能障害、

         アロディニア、複合性局所疼痛症候群(CRPS)

 痛覚変調性疼痛:心理的要因

・感覚障害:頭頂葉病変、視床病変、延髄内側病変、

      延髄背外側病変(Wallenberg症候群側方へ突進)

 

脳卒中に対する治療アプローチ

フィードバックを用いた課題指向型高負荷な反復練習

・CI療法:麻痺側上肢の使用を促し、不使用の学習を防ぐ

・筋電誘発型電気刺激:関連領域の脳活動促進、末梢性の相反抑制促通効果

・歩行神経筋電気刺激装置:前脛骨筋の賦活で反張膝の改善

・BWSTT

・装具療法

・ニューロモジュレーション:種々の外部刺激により神経活動を調整する

・Brain-machine interface(BMI)

・歩行アシストロボット

再生医療

・「褒める」

・モチベーション

 

パーキンソン病

基礎知識

大脳基底核の機能:動作のアクセルとブレーキ、強化学習

①大脳皮質-基底核ループ:随意運動

基底核-脳幹系:自動運動

基底核-辺縁系ループ:高次脳機能

パーキンソン病黒質ドーパミン神経細胞の変性により、ドーパミンが減少し、大脳基底核ネットワークの機能不全が生じる疾患→緩徐進行性

罹患率アルツハイマーに次いで2位、約15万人

パーキンソニズム:L-dopaの効果がほとんどない

①脳血管性:認知症の合併症多い

②薬物性:錐体外路徴候が両側性に

③その他:正常圧水頭症線条体黒質変性症、進行性核上性麻痺、レビー小体型認知症

ドーパミンの減少は基底核からの抑制性出力を増加させ、大脳皮質、脳幹および辺縁系の働きを抑制する

・症状:四大兆候

①安静時振戦

②固縮

③無動/寡動:仮面様顔貌

④姿勢反射障害:異常姿勢(前屈姿勢、腰曲がり、斜め徴候、首下がり)

        安定性限界

        反射的姿勢調節→突進現象

        予測的姿勢調整困難

        歩行障害→すくみ足、二重課題

        転倒(前に転びやすい)

⑤自律神経症

⑥認知機能障害

 

重症度評価と治療戦略

Hoehn&Yahr重症度分類

Stage1:一側性

Stage2:両側性

Stage3:姿勢反射障害

Stage4:自力での生活は困難

Stage5:立位や歩行不可

修正版Yahr重症度分類

Stage0:パーキンソニズムなし

Stage1:一側性

Stage1.5:体幹の機能障害あり

Stage2:両側性

Stage2.5:自力で立ち直り可能

Stage3:立ち直り反応に障害あり

Stage4:どうにか立位、歩行

Stage5:寝たきり

・治療戦略

①投薬治療:L-dopa、ドパミンアゴニスト

②外科的治療法:脳深部刺激療法(DBS)

リハビリテーション

・投薬治療の副作用

①Wearning-off現象:薬効期間が短くなる

②On-off現象:服薬に関係なく薬効がなくなる

③ジスキネジア(On帯):不随意運動、易疲労

ジストニア(Off帯に多い):不随意筋収縮、疼痛伴う

 

理学療法評価

・MDS-UPDRS:Part1→精神、情動

         Part2→ADL

                           Part3→運動機能

                           Part4→副作用

・歩行やバランス機能にも認知機能を必要とする

・呼吸機能:胸郭拡張差、スパイロメトリー

・嚥下障害(死因の半数)→誤嚥性肺炎 

 

理学療法

・リハビリの対象は二次的な障害

エビデンス理学療法全般(複合的運動)AⅠ

       トレッドミル歩行AⅠ

       筋力増強運動BⅡ

       バランス運動BⅡ

       感覚刺激BⅡ

・役割:

①一次的・二次的障害の進行を遅らせる

②運動機能のさらなる低下を防ぐ

・従来の運動療法:ストレッチ、筋トレ、有酸素運動

・筋緊張のコントロール:亢進(固縮、ジスキネジア)→リラクゼーション、柔軟性向上

            低下(廃用性)→筋トレ、姿勢保持練習

・筋トレ:最大運動範囲まで動かす、持続的な収縮促す、日内変動考慮した漸増負荷

・筋力低下の特徴:トルク発揮の定常性の低下(一定した力発揮が困難)

         主動作筋のトルク生産速度の低下、拮抗筋の過活動

有酸素運動:持久力、運動機能、認知機能、気分低下に効果

・外的Cueの利用:視覚、聴覚、体勢感覚刺激

         外発性随意運動は基底核を介さず、小脳を経由。

         すくみ足が減弱。

・ダンス、太極拳

・認知運動戦略:細分化、意識する部分を明確化、分離運動誘発

・最新の取り組み:二重課題練習、Virtual Reality、在宅テクノロジー

 

脊髄小脳変性症・多系統萎縮症

小脳の基礎知識

・動作の調整を行う

・協調運動(大脳小脳):動作に際して、運動に関与する筋、筋群が協同的に正しい順序で収縮し、効果的に起こる運動

①タイミング:時間的配列

②スペーシング:筋の選択

③グレーディング:筋活動の程度

・姿勢制御、歩行制御(脊髄小脳、前庭小脳)

教師あり学習(大脳小脳):長期抑圧(LTD)

  =感覚フィードバック練習→被殻、小脳の灰白質が増量

 

脊髄小脳変性症・多系統萎縮症の基礎知識

脊髄小脳変性症(SCD):小脳の萎縮を主体とする進行性の神経変性疾患の総称

・大別:純小脳型(比較的進行緩徐、予後良好)

    多系統障害型(進行早い、予後不良)

・遺伝性の方が孤発性より予後良好

・発症年齢は病型によりさまざま(50-60歳多い)

・マシャド・ジョセフ病(MJD):多系統障害型、緩徐進行性、錐体外路徴候と末梢神経症状、認知機能保つ

・SCA6、SCA31:純小脳型、予後良好、緩徐進行性、前庭系の症状、認知機能保つ

多系統萎縮症(MSA):孤発性、多系統障害型、予後不良(9年)

・症状:

①運動症状:運動失調(ロンベルク徴候)、眼振、断綴性言語、企図振戦

②認知機能障害、精神症状:前頭葉障害、言語機能障害、性格変化

③自律神経症状:起立性低血圧、発汗低下

④感覚障害

睡眠障害

・協調運動障害(運動失調):運動麻痺がないにもかかわらず、運動の時間的・空間的な秩序や配列が乱れた状態

・運動失調の種類:

(状態別)

①Static ataxia→安静時 ②Kinetic ataxia→随意運動中 ③Locomotive ataxia→歩行時

(病巣別)

①脊髄性失調:深部感覚障害

②迷路性失調:眼振

③小脳性失調:病巣と同側、千鳥足

④大脳性失調:病巣と対側

・運動失調の要素:

①測定障害

②企図振戦:目標に近づくにつれて著明

③運動分解

④反跳現象:急な停止ができない

⑤反復拮抗運動不能、変換運動障害:交互に素早く円滑にできない

⑥共同運動不能:規則性が損なわれた状態

・バランス障害:ワイドベース、ロンベルグ徴候

・歩行障害:酩酊歩行

・眼球運動障害:衝動性、矩形波状、垂直性眼振、複視

・構音障害:断綴性言語、爆発性言語

・自律神経障害:起立性低血圧、便秘

・呼吸障害:睡眠時無呼吸症候群

・嚥下障害:反射の減弱

 

重症度評価と治療戦略

・失調症→mRS判定基準

・症状の進行→SCD

・医師による治療:投薬治療、脳刺激療法、随伴症状の治療

 

理学療法評価

・総合評価:SARA(Scale for the Assessment and Rating of Ataxia)

      UMSARS

・失調症状:種々の協調性検査

      動作による体幹失調の評価

      姿勢バランス・歩行の検査→Mann試験、TUG

・運動失調以外の症状

①筋緊張/腱反射:純小脳型で低下

体幹機能検査:FACT

③眼球運動障害:衝動性眼球運動、滑動性眼球運動、眼振

④自律神経障害:起立性低血圧検査(シェロング試験)

⑤呼吸障害:胸郭拡張差、スパイロメトリー→拘束性換気障害

⑥嚥下障害:健康体の可動範囲、頭頚部の筋の評価

⑦転倒

 

理学療法

・役割:機能の維持・改善、生命予後

・Frenkel体操:動作の反復、視覚による代償、動作の段階的な進行

・PNF:スローリバーサル、クイックリバーサル、リズミックスタビリゼーション

・動作の反復と促通:動作パターンを覚えなおす、積極的に感覚は代償する

・持続的な筋発揮:異なる筋同士の協調性を高める

・動作の自由度制限:安定化

・動作練習・筋力強化練習:過用・誤用症候群に注意→低負荷・反復

・装具療法:杖やピックアップ✖、車椅子(移動補助具)

      ヒッププロテクター、保護帽、リュックサック(転倒時の備え)

・生活環境整備

 

脊髄損傷

基礎知識

・外傷等により脊髄が損傷し、損傷レベル以下の神経脱落症状を呈する

・原因:外傷による脱臼骨折や破裂骨折、彼による脊椎変形

・分類:

①完全損傷:損傷部位化の機能が完全に麻痺

②不全損傷:仙髄機能が温存、損傷部に依存した症状

a.中心性脊髄損傷:最多、上肢の運動麻痺強い、運動覚・位置覚保つ

b.前部脊髄損傷:触覚・振動覚・位置覚保つ

c.ブラウンセカール(脊髄半側損傷)

d.後部脊髄損傷:運動機能保つ

・表記:機能的レベル→機能が残存している最下位の髄節

    損傷レベル→損傷髄節レベル

 

症状と合併症

・脊髄ショック:一時的な脊髄機能不全、弛緩性麻痺、膀胱直腸障害

・呼吸障害:死因の39%、機能残存C3-4→人工呼吸器必要

・自律神経障害:Th5以上の損傷で迷走神経優位になる

        Th1-4→循環障害(起立性低血圧)

        Th5→体温調節障害(うつ熱)

        Th6-12,S2-4→消化器障害(腹膜炎、麻痺性イレウス)

        Th6→自律神経過緊張反射

        排尿障害

・合併症:

①褥瘡:知覚麻痺、圧迫、予防が重要

    DESIGN分類

②拘縮:C4→肩甲骨拳上

    C5→肩甲骨拳上、肩外転、肘屈曲、前腕回外

    C6→肩外転・外旋、肘屈曲、前腕回外、手背屈、手指屈曲

    C7→手指伸展

    下肢→股関節屈曲・外旋、膝関節屈曲、内反尖足

③異所性骨化:受傷後1~4か月後発症

       股・膝・肘・肩関節に好発

       愛護的なROM-ex

 

評価

・損傷の程度および高位を判定し、機能的・社会的予後を予測する

・損傷高位で可能な動作パターンと実際の動作との相違を確認する

・損傷高位の判定には種々の検査が必要

Frankel分類

ASIA Impairment Scale(基準・予後予測):運動機能、感覚機能、神経損傷高位、機能障害スケール、部分的残像領域(ZPP)

A:S4-5の完全消失→脊髄ショック回復後なら、ほぼ残存レベル

B:運動完全麻痺、感覚は残存→早期かつ痛覚残存なら、CDに移行可能性あり

C:key muscleの半分以上がMMT3未満→早期ならD移行、立位歩行可能性あり

D:key muscleの半分以上がMMT3以上→立位歩行の可能性あり

E:運動・感覚ともに正常→正常に回復

・ASIA Motor Score:廃用や疼痛考慮しない、拘縮はNT、C5から尾側方向に実施

・ASIA Sensory Score:C2から尾側方向に実施、触覚・痛覚

・残存機能の評価:Zancolli

・ADL評価:脊髄障害自立度評価法(SCIMⅢ)

      事故報告式脊髄自立度評価法(jSCIM-SR)

・筋緊張、深部腱反射、病的反射

・損傷高位とADL

・動作分析

・残存高位と筋:

C5上腕二頭、C6長短橈側手根伸筋、C7上腕三頭筋、C8手指屈筋

L2股関節屈筋群L3大腿四頭筋、L4前脛骨筋、L5足趾伸筋、S1腓腹筋

・Beevor's sign:息吸うと臍が挙上

Bridge muscle:僧帽筋、広背筋

 

理学療法

(急性期)

・全身管理と早期離床:拘縮

           呼吸理学療法

           起立性低血圧

           褥瘡

廃用症候群の予防:筋力の維持と強化(低負荷・高頻度・長時間)

(回復期)

・機能障害に対するアプローチ:ROM-ex

               筋力強化

・基本動作の獲得:ADL動作や移乗動作に重要な筋群

         座位バランス(体幹・下肢の柔軟性の影響大)

         寝返り(C4は全介助)

         起き上がり

         プッシュアップ動作(C7残存→上腕三頭筋で肘伸展保持)

                  (C6残存→肩甲骨下制・内転、鉛直方向へ)

         移乗動作

         車椅子操作

         立位(C-postureあり)

         ジャックナイフ練習→骨盤の位置調整

         立ち上がり

         歩行

         転倒練習

発達障害理学療法学

1,小児神経系理学療法学の歴史

 

2,原子反射の評価

 

3,姿勢反応・姿勢緊張の評価

①立ち直り反応

(体に働く頸の立ち直り反応:NOB)

・出現時期:新生児~5歳

・刺激方法:頭を回旋

・反応:体全体が立ち直る

(頭に働く体の立ち直り反応:BOH)

・出現時期:新生児-2歳~5歳

・刺激方法:体の一部が指示面に触れる

・反応:頭の位置を正す

(体に働く体の立ち直り反応:BOB)

・出現時期:4か月~5歳

・刺激方法:体幹のねじれ

・反応:体幹を対照的な位置に保とうとする(減捻性反射)

(迷路性立ち直り反応)

・出現時期:新生児~生涯

・刺激方法:腹臥位

・反応:頭の挙上

(視性立ち直り反応)

・出現時期:新生児-2か月~生涯

・刺激方法:引き起こす

・反応:頭の挙上

②平衡反応

(傾斜反応)

・出現時期:(腹臥位)6か月、(背臥位)7-8か月、(座位)7-8か月、(四つ這い)9-12か月、(立位)12-21か月

・刺激方法:迷路刺激

・反応:

カウンターバランス→重心移動とは反対方向に手足を重りとして利用

カウンターローテーション→一つの分節の回旋に対して他の分節が逆方向に回旋

③保護伸展反応

(前方パラシュート)

・出現時期:6か月=座位保持

(側方パラシュート)

・出現時期:8か月=座位姿勢の完成

(後方パラシュート)

・出現時期:10か月=立位姿勢の獲得、座位での体幹回旋

 

4,姿勢と運動の発達1(筋緊張・姿勢緊張)

①筋トーヌスの異常の生理学的意味

・痙性:

筋の痙縮(過緊張)に基づく四肢、関節の過剰状態をもった動き

抵抗は、開始域で強く、突然抵抗が弱まる

上肢は屈筋、下肢は伸筋

ex)ジャックナイフ現象

・固縮:

他動的な動きに、持続的な抵抗

ex)鉛管現象、歯車現象

・アテトーゼ

筋緊張が過度になったり消失したり、正常範囲を超えて動揺

・弛緩:

自発的なコントロールが無い、過度にリラックスした状態

 

②筋トーヌスの評価と異常所見

・伸張性(extensibility)

→window sign(手関節掌屈90°以上)

 股関節開排角度

 足関節背屈

 膝関節伸展(膝下角)

 スカーフ徴候

 Placing&Holding

・被動性

・筋の硬さ

 

③連合反応

・健側の使用により、患側の緊張が一定のパターンでいつも反応する

 

④発達のギャップと知的発達

・暦年齢より2か月の差は注意

・早産の場合は在胎週を考慮

・知的良、運動悪→健側の代償増加

・運動先行→平衡反応、防御反応成熟しづらい

・知的運動低い→反応乏しい

・知的低い→不快刺激の閾値高くなり異常姿勢で拘縮を生じる

 

5,姿勢と運動の発達2(腹臥位と背臥位)

①腹臥位の一連の発達

・新生児期:保護的頭部回旋、鼠径部離床

・1か月:頚部伸展

・2か月:肩外転・前腕支持増加

・3か月:on elbows、鼠径部接地

・4-5か月:air plane activity、両上肢・下肢外転、三点支持→偶発的寝返り

・6か月:on hands寝返り

・7か月:後ずさり、ピボット

・9-10か月:四つ這い

・12-13か月:高這い→直立位

 

②背臥位の一連の発達

・新生児期:屈曲優位、探索反射(口からbody imagea発達)

・1か月:ATNR

・3か月:正中位指向

・4-6か月:膝下角拡大→手と膝足の出会い→偶発的寝返り

・8か月:生理的多動

 

6,姿勢と運動の発達3(座位、立位・歩行)

①立位の発達

・新生児期:初期起立、初期歩行

・2-3か月:失立、失歩行

・4-5か月:腋窩を支えると少し体重負荷

・6-7か月:起立位保持で飛び跳ねる

・8-9か月:両下肢の全荷重負荷

・9-10か月:つかまり立ち

・9か月:片手支持で立つ、両手支持でよちよち

・11-12か月:つかまり歩き、両手を離して立位保持

・12-13か月:両手離して歩ける(High guard)

・18か月:Low guard

 

 

②座位の発達

第一段階

・4-5か月:腰を支えると座る

第二段階

・5-6か月:両手を前について丸まって

・6か月:手をついて

・7か月:手を離して、背を伸ばして、ハイハイ、ring sitting

・8か月:体をねじって横の物を取る

第三段階

・9か月:生理的多動

 

③歩行の発達

 

7,コミュニケーションの発達

①6歳までの立位の発達

・18か月:片手支持で階段を昇降する

・2歳:手すりを伝って一人で階段昇降、両足で一歩跳ぶ

・3歳:階段を両足を交互に踏み出して昇り、両下肢をそろえて降りる

・3歳6か月:2s片足立ちができる

・4歳:片脚ずつ交互に出して階段昇降する

・5歳:細い線に沿って歩ける

・6歳:25㎝のロープを飛び越える

 

②6歳までの上肢の発達

・目によるコントロール→把持、要しない→把握

・4-6か月:Hand orientation

・6-8か月:orientationとgrope、ピンチの発達

・8-11か月:grasp

 

③6歳までのことばの発達

・1か月:開鼻音

・3か月:笑いに声が伴ってくる、喃語

・4か月:咬反射、舌尖、喉音

・5か月:破裂音

・6か月:唇音、舌音

・7か月:Fingering

・8か月:最初の対話

・9か月:人見知り、言葉の真似

・11か月:よだれコントロール失う

・12か月:表現の発達はないが、理解は発達

・13か月:ジャーゴン

・21か月:2語文話す

・24か月:3語文話す

・3歳:多くの質問をする

・4歳:生理的な吃音

 

8,新生児集中治療室における理学療法

①未熟児の評価の概要

・出生体重:超未熟児(1000g未満)、極小未熟児(1500g未満)、低出生体重児(2500g未満)、巨大児(4000g未満)

・在胎週数:早産児(37週未満)、過期産児(42週以上)

・胎児発育曲線

・臨床所見:Dysmature児→体内栄養不全型

 

②未熟児における主な疾患

・子宮内発育不全(IUGR)→トキソプラズマ

・新生児仮死:呼吸循環不全

・未熟児無呼吸発作:20s以上の無呼吸、20s未満でも徐脈・チアノーゼ

・新生児呼吸窮迫症候群

・慢性肺障害

・核黄疸:間接ビリルビンによる、交換輸血・光線療法、アテトーゼ型脳性麻痺

動脈管開存症

・新生児低血糖

・新生児頭蓋内出血

・嚢胞形成脳室周囲性白質軟化(PVL):境界域に虚血、痙直型両麻痺

 

③positioning,handling

・positioning:屈曲、正中位

・handling:音と光刺激からの保護、ケアパターンの調整、快適な感覚運動刺激

 

9,痙直型脳性麻痺の特徴と理学療法

脳性麻痺の分類

・類別型:痙直型、アテトーゼ型、失調型。。。

・部位別:両麻痺、四肢麻痺片麻痺

 

②病態

PVLが主要な原因

皮質脊髄路

 

③発達の特徴

・下肢の分離がほとんど認められない

・背屈困難

・膝窩角が拡大

 

④特異的な姿勢、動作

・伸展・屈曲パターン→亜脱臼・脱臼

・寝返り:上半身の過剰なねじれ、連合反応、頭部の過剰な伸展と回旋

・ずりばい

・割座

・長坐位苦手

 

⑤歩行

・バニーホッピング

 

10,痙直型脳性麻痺の特徴と理学療法

①認知機能の特徴

・図と地の弁別障害

 

②股関節亜脱臼・脱臼の機構

・はさみ肢位、wind swept肢位

・股関節の形成不全:頚体角・前捻角・臼蓋角拡大、CE角減少、Calve線・Shenton線崩れる

 

③病態

・3か月ごろ患側の動きが少ないことで気づく

・非対称性

 

④特異的な姿勢

・斜頸

 

⑤特異的な起居移動動作

・寝返り:健側上肢の前方突出と肩屈曲の寝返りで患側へ寝返る

・ハイハイ:健側上肢で手繰り寄せるように

・背ばい

・四つ這いほとんどしない

・ずりばい

・ゆっくりした動作ができない

・健側上肢で引き上げるように立ち上がる

 

⑥上肢機能

・両手活動ができない

 

⑦歩行の問題

・下肢伸展パターン、股関節屈曲は残る

尖足

 

11,アテトーゼ型脳性麻痺の特徴と理学療法

①病態

・不随意運動・言語障害・腱反射の亢進なし・知的理解力正常

・上半身の障害が重度

・核黄疸:大脳基底核障害

 

②筋緊張の異常

・間欠的緊張性痙縮

・移動性痙縮

・一過性局所収縮

 

③起居動作

・腹臥位好まない

・割座好む

・歩行時の動揺

 

④残存する原始反射の影響

・ガラント反応:体幹不安定。。。

ATNR:頭部を正中位に保持できない

 

理学療法の方向性

・筋緊張の安定化→中枢部へのアプローチ

・非対称性に働きかける

・対称的な抗重力姿勢での同時収縮を高める

・段階的な運動コントロール

・繰り返し運動の有効性

 

⑥将来的問題

 

12,弛緩型脳性麻痺の特徴と理学療法

①特徴

・スカーフ徴候亢進

・足背屈増強

・足底アーチの低下

・股関節内転筋トーヌス低下

 

13,ダウン症理学療法

①染色体異常

・21番染色体トリソミー:21番染色体が1本多く、合計47本

 

②病態

・標準型(95%)、モザイク型(2%)、転座型(3-5%)

・筋の低緊張、心臓心血管系の障害、精神発達遅滞

 

③筋緊張の異常

・フロッピーインファント

 

④特徴的な肢位・動作

・座位では支持基底面を広く取り、身体の中心線を崩すまで姿勢制御反応が出現しない

・立位でのワイドベース

・口腔、腹部、足底の触覚過敏

 

理学療法

・臥位期:抗重力筋の活性を高める姿勢と運動を段階的に経験させる(on elbows,on hands)

・座位獲得期:バランス崩す→自立反応群の促通

・立位への準備期:座位でのパラシュート反応、立位での立ち直り反応、四つ這い運動、膝立ち

・目標:2歳までの歩行獲得

 

理学療法におけるリスク

・過負荷とストレスの回避

・低緊張への配慮

 

14,筋ジストロフィー理学療法

①Duchenne型の病態

・X連鎖性劣性遺伝

・一時的なジストロフィンの機能不全→Ca⁺細胞内へ流入→タンパク質分解酵素などを活性化→筋繊維融解→筋繊維壊死→脂肪組織・結合組織に置換

・発症年齢:3-4歳→歩行不能:7-11歳→呼吸不全で死亡:20-25歳

・下腿部に仮性肥大

・登はん性起立(ガワ―ズ徴候)

 

②Duchenne型のステージ

Stage1:階段昇降可能(手の介助なし、手の膝おさえ)

Stage2:階段昇降可能(手すり)

Stage3:椅子からの起立可能

Stage4:歩行可能

Stage5:四つ這い可能

Stage6:いざばい可能

Stage7:座位の保持可能

Stage8:常時臥床状態

 

③Duchenne型に特徴的な姿勢・動作

・アヒル様歩行

・軽度の尖足、脊柱胸郭の変形

 

④Duchenne型の各ステージにおける理学療法の考え方

・初期:運動機能のサポート

・進行期:機能維持のサポート

・終末期:呼吸機能のサポート

 

⑤CMDの病態

・筋緊張低下、顔面筋麻痺、精神運動発達遅滞

 

⑥CMDの理学療法

・発達の促進と障害要素の排除

・筋力増強

・筋の伸張

・装具療法

 

15,二分脊椎の理学療法

①病態・合併症

・痙性弛緩性運動麻痺、感覚障害、膀胱直腸障害

・合併症:水頭症、アーノルド・キアリ変形、水髄症、脊髄空洞症、大脳形成異常

 

②Sharradの分類

1群:Th12

2群:L1-2

3群:L3-4

4群:L5

5群:S1-2

6群:S3

 

③Hofferの歩行機能レベル

Score1:独歩(L5,S1,S2-3)、杖歩行(L3,L4)

Score2:(L1,L2)

Score3:(Th)

Score4:(Th)

 

④特徴的変形

・屈曲膝

尖足内反

・反張膝

・踵足内反

 

⑤乳児期の理学療法

・踵足変形の予防→装具

・股関節屈曲拘縮の抑制

・歩行の準備→補装具の使用

・遊びの中で筋力増強

 

⑥幼児期の理学療法

・底屈位保持による立位安定

・膝過伸展と偏移→LLB

・立位・歩行への誘導→歩行器PCW

・RGO装着による歩行訓練

・プッシュアップ、腹臥位上肢支持、友達との遊び→筋力増強

運動機能評価学実習

【越野】医療面接

*まとめ

・医療面接は目標設定、状況把握において極めて重要であり、初回だけでなく毎回の理学療法で行われる評価である。

・信頼関係(ラポール)の構築においても重要であり、コミュニケーションが重要になる

・カルテのみに頼らず実際の患者の声を聴くことは重要であり、ともにリハビリテーションの目標及び方針を意思決定する過程が現代に求められている。

 

#主訴:患者がもっとも困っていること、問題としていること

 Demands:患者の希望、要望

 Needs:セラピストが判断した患者に必要な能力

 

【越野】疼痛評価

*まとめ

・痛みの有無だけでなく強さ、どのような痛み、場所、種類などを評価によって見極め、痛みの原因を探す

・慢性痛の場合、疼痛の種類は明確に区別することは実際の臨床では難しいことが多く、心理や中枢性感作がどのくらい疼痛に影響を与えているのかを把握して、治療選択することが重要となる

 

#種類

1,侵害受容性疼痛

2,神経障害性疼痛

3,痛覚変調性疼痛

・中枢性感作:中枢神経系における痛覚過敏を誘発する神経信号の拡大

       Wind up現象:軽い刺激が反復すると痛み刺激に変化

       疼痛抑制機構の機能低下を引き起こす

・時間的分類

①急性疼痛

②慢性疼痛:3か月以上

・部位の違い

①表在痛:皮膚の病変

②深部痛:骨格筋、関節など

③内臓痛

・臨床

①自発痛(安静時痛)

②運動痛

③夜間痛

④圧痛

⑤関連痛:深部組織の刺激が体表に投射

⑥放散痛:関連痛のうち、刺激発生の臓器よりかなり遠くの皮膚上に痛み

 

#強さ評価

・Visual Analog Scale(VAS):10㎝の直線

・Numerical Rating Scale(NRS):0~10

・Face Pain Scale:顔の表情。理解が簡単

#性質評価

・McGill Pain Questionnaire:感覚的、感情的、評価的、そのほかの表現、78点満点

#行動評価

・Behavioral pain scale(BPS):痛みによる行動変化を評価、コミュニケーション取れなくても可

 

#感度高い→偽陽性に注意→除外診断

 特異度高い→偽陰性に注意→確定診断

 

#Fear-avoidance model:疼痛の破局的思考(反芻・無力感・拡大視)

 →質問紙:Tampa Scale for Kinesiophobia(TSK),Fear-Avoidance Beliefs Questionnaire(FABQ)

 

【越野運動耐容能の評価

運動負荷に耐えるために必要な呼吸や心血管系の能力に関する機能

#評価

・最大酸素摂取量

  負荷量を増加させても酸素消費量が変化しなくなった点=運動耐容能

 

#障害

・酸素運搬系:換気障害→肺胞内のO₂低下、CO₂増加

       ガス交換障害→動脈中の酸素飽和度低下

・血液循環系:心ポンプ機能低下→筋への血液供給不足

       右心機能障害→肺への血液供給不足

       末梢循環障害→筋への血液供給障害

 

#運動負荷試験

 

【長谷川】片麻痺運動機能検査

#Brunnstrom stage

(回復段階)

Ⅰ随意的な筋収縮は無く連合反応も出現しない

Ⅱ痙性の発現、共同運動が連合反応として出現

Ⅲ痙性顕著、随意的な筋収縮は共同運動として出現

Ⅳ痙性やや弱まる、動作の分離独立が一部可能

Ⅴ痙性減少

Ⅵ協調性のある運動が徐々に可能、正常ではない

 

(上肢)

Ⅰ弛緩性麻痺

Ⅱ多少の痙性と連合反応

Ⅲ屈曲伸展共同運動(耳と反対側の腰)

Ⅳ腰の後ろに手をもっていく

 前方水平位に腕を拳上(60)

 肘90度で回内、回外(50)

Ⅴ横水平位に腕を拳上(60)

 前方頭上に腕を拳上(130)

 肘伸展位で回内、回外(50)

速度テスト:膝と顎触れる、麻痺側と非麻痺側の膝を触れる

 

(手指)

Ⅲ全指屈曲

Ⅳ指つまみ、集団伸展が一部可能

Ⅴ対向つまみ、筒握り、球握りが可能

Ⅵ手指の分離が可能

 

(下肢)

Ⅱレイミステ反射(股関節の内外転)

Ⅲ屈筋伸筋共同運動

Ⅳ座位で足を床の後方に滑らせて膝90°以上屈曲

 座位で踵を床から離さず随意的足背屈

Ⅴ立位で股伸展位で膝屈曲(45)

 立位で膝伸展位で足を少し前に踏み出して足背屈(5)

Ⅵ立位で股外転(20)

 座位で下腿の内外旋(20)

速度テスト:座位で下腿内外旋、立位で足底背屈

 

【越野】運動器疾患機能検査

#腰部疾患

・SLR(ラセーグ)テスト:坐骨神経伸張、疼痛やしびれ→L5-S1神経根障害

・ブラガードテスト:坐骨神経伸張、SLRより5°下げ足関節背屈

・ボンネットテスト:坐骨神経伸張、SLRより少し下げ股関節内転内旋→梨状筋短縮

・ボウストリングテスト:坐骨神経伸張、SLRの位置で膝20°屈曲し、膝窩圧迫

・大腿神経伸展テスト:膝90°屈曲で大腿部持ち上げる、大腿前面疼痛→L2-4ヘルニア

・ケンプテスト:股伸展のまま斜めに腰部伸展→椎間孔神経根絞扼

 

#肩関節疾患

・有痛股徴候:外転60-120°

・ニア―インピンジメントテスト:肩内旋位で拳上

・ホーキンスインピンジメントテスト:肩90°屈曲で内旋

・棘上筋腱炎テスト:肩外転位で内転方向に抵抗(Full can)

・アプレー・スクラッチテスト:棘上筋、肩屈曲外旋/伸展内旋

・ドロップアームテスト:棘上筋、肩90°外転維持or120°外転からゆっくり下す

・リフトオフテスト:肩甲下筋、手背を背部に当てた状態から手を体幹から離す

・ベリープレステスト:肩甲下筋、手を腹部に当て圧迫

・ヤーガーソンテスト:上腕二頭筋長頭、肘90°屈曲で回内方向に抵抗

スピードテスト上腕二頭筋長頭:肘伸展回外で肩伸展方向に抵抗

・前方肩不安定感テスト:肘屈曲肩外転外旋で水平外転

 

#股関節疾患

・パトリックテスト:股関節屈曲、外転、外旋

・オーベルテスト:

・トーマステスト:

・エリーテスト:

・股関節インピンジメントテスト:

 

#膝関節疾患

・アプレイテスト:半月板損傷、痛み内旋→外側、外旋→内側

・マクマレイテスト:半月板損傷、股膝屈曲で下腿内外旋

・前方引き出しテスト:前十字靭帯損傷、膝90°

・ラックマンテスト:前十字靭帯損傷、膝20-30°

・Nテスト

・後方引き出しテスト:

・膝外反ストレステスト:内側側副靭帯損傷

・膝内反ストレステスト:外側側副靭帯損傷

ストロークテスト:炎症の評価

・膝蓋跳動テスト:炎症の評価

 

#足関節疾患

・前方引き出しテスト:前距腓靭帯損傷

・後方引き出しテスト:後距腓靭帯損傷

・内返しストレステスト:前距腓靭帯・踵腓靭帯損傷

・外返しストレステスト:三角靭帯損傷

・トンプソンテスト:アキレス腱断裂